◆ 権 能 ◆
火と鍛冶の神
◆ 標徴物 ◆
金槌/やっとこ/鉄床/武具
◆ 両 親 ◆
ヘラ(父はなし)
◆ 配偶者 ◆
説1)美と愛の女神
アプロディテ説2)カリスの1人アグライア
◆ 愛 人 ◆
アテナに恋い焦がれて追い回したことがあるが強烈に拒まれる
◆ 子 供 ◆
第5代アテナイ王エリクトニオス
(母はアテナ? しかし生んだのは大地の女神ガイア) etc.
◆ 性 格 ◆
ヘパイストスは美男美女ぞろいの神々の中にあって、醜く、足の不自由な神とされていま
す。身体の不自由な人が嘲笑の対象になった時代なので、ヘパイストスも神にしては少々軽く見られていたようです。
<縛られたヘラ> ゼウスの后
ヘラは、
ゼウスが一人で女神
アテナを産んだことに対抗して
ヘパイストスを産んだ。だが、生まれてきた子は醜くく、
ヘラは思わず天界から投げ捨ててしまう。
ヘパイストスは丸一日落下してレムノス島に落ち、その時の衝撃で足が曲がってしまった。そんな彼を助けたのは海の女神
テティスと
エウリュノメ。彼女たちは
ヘパイストスを海底の洞窟に連れて行き養育した。
そこで工匠の才能を発揮した
ヘパイストスは、養母たちのために様々な装飾品を作って暮らしていた。だが母ヘラに対する恨みは消えず、とうとう復讐を思い立つ。
ある時天界の
ヘラの下に、
ヘパイストスから美しい玉座が届く。喜んでヘラが腰掛けたその時、玉座から鎖が飛び出して
ヘラを縛り付けてしまった。誰も
ヘラを解放することが出来ず、困った神々は使いを出して
ヘパイストスを呼び寄せようとするが、
ヘパイストスは聞き入れない。
そこで軍神
アレスが力ずくで連れて来ようとしたが、逆に炎を食らって逃げ帰る始末。
万策尽きて途方にくれる神々の中で、名案を思いついたのは酒神
ディオニュソスだった。
ディオニュソスは
ヘパイストスがぶどう酒を飲んだことがないのを利用して、彼をへべれけに酔わせ、牛の背に乗せてオリュンポスに連れ帰った。
自分を解放するよう懇願する
ヘラに、
ヘパイストスは条件をだした。それは美の女神
アプロディテと自分を結婚させてくれと言うものだった。
ヘラは承知し、
ヘパイストスは天界一の美女を妻とすることが出来た。
<暴かれた密会> ヘパイストスの妻になった
アプロディテだが、当の彼女は醜く無骨な夫に不満だった。そのうち
アプロディテは、ハンサムで男らしい
アレスと不倫を重ねるようになった。
ヘパイストスは妻の浮気に気づきもしなかったが、ある時二人の密通を見かけた太陽神
ヘリオスが、事の次第を
ヘパイストスに報告した。
ヘパイストスは怒り心頭に達し、証拠を押さえようと見えない網を作り、それをベッドに仕掛けておく。そして何食わぬ顔で仕事場に出かけて行った。
そうとは知らず
アプロディテは、いつものように
アレスを招き入れる。だが二人がベッドで抱き合った途端、見えない網に絡め取られて身動きが出来なくなってしまった。
二人が網にかかったことを察知した
ヘパイストスは、急いで館に戻り、大声でオリュンポスの神々を呼び寄せると、妻の不貞をなじった。
この呼びかけに、女神たちは家に留まったものの、男神たちはみなやって来て、二人の無様な姿を笑った。
アポロンが弟の
ヘルメスに「君はこんな風に縛られてでも、
アプロディテと寝てみたいかい?」と問うと、
ヘルメスは「ああ。たとえこの三倍ものいましめがあっても、男神どころか女神が見ていたとしても、
アプロディテとならば寝てみたいね」と答えた。
このやり取りに神々は際限なく笑い、とうとう見かねた
ポセイドンのとりなしで、
ヘパイストスは二人を解放した。ほうほうの体で二人は逃げ出し、
アレスはトラキアへ、
アプロディテはキュプロス島へと去っていった。
Venus and Cupid at Vulcan's Forge 1720
LUCAS, Auger. Oil on Canvas, 81.5 x 100.5cm
Musee des Beaux-Arts, Orleans